せぴあ色したおもちゃ箱 |
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Jack in the BOX
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いらっしゃいませ!!どうぞ、ゆっくりご賞味いただけたら幸いです
著作権は放棄していません。文章以外の挿絵 壁紙は素材サイト様のものです
今年の水無月は空梅雨だった
梅雨明けまでのラストスパート
寝坊した雨雲は大暴れを展開中
ちゃんと入道雲に明け渡す気があるなら
我慢するのもやぶさかではない
実りを育む恵みの雨の
ほんの少し洗い流すパワーが多いのはきっと若気の至り
パンドラの箱だったのかと
あけてしまった箱の底なし沼を覗き込んで見つけた
捕われし乙女
雨の繭に包まれて
緑の風を追いかけて
色んな薫りを身につけて
様々な言霊を掬ってみたり
本質を翳めとったというよりも
ラビリンスに迷い込んでいくみたい
えぇ
ちょうど一年前に綴り始めて本日は記念日
まずは夏の夜空を縫いつけてから
第二幕へとちょんと拍子木を入れる事と致しましょう
ヒュー シュッパーン パッ パッ パッ パッ パン
たま〜や
夏の宵闇を貫く大輪の華
ラムネの瓶に沈んでいく
タップ タップ タップ タップ
のどにヒンヤリ
くらむぼんの行進
乾ききった世界を潤していく
チリリリリン
涼やかな音色が残った
こちとらの思惑なんざぁ
お天道様が西からのぼろうとも
どこ吹く風で
おうまが瞬くまに倍に二乗に増加していく
そいつらの行き先なんか
てんで定まっていやしない
知らぬまにのっかってるやつらの心意気も
どこかに振り落として疾走していく
なんに向かっていくのやら
右往左往しておっ飛ばされた事も気づかず
世間はしれっと回っている
ゆうべのお日様と反対側の窓から
パリっと香ばしいクロワッサンとカフェオレを照らしていく
キッチンでは片手に乗るのからホームベースほどのお弁当箱に
基本は20品目の彩りと怒りと愛情をつめていく
そんなバタバタとした日常を置いてきぼりにして
また 薔薇色の朝が来た
一蓮托生の歯車のスウィッチが入った音を聴いた
ちょっとしたつまずきのドミノ倒しが
石ころひとつの些細な感じで転がって
どうかすると
野に咲く花として微笑んでいたり
ふとよそ見をしている隙に
落とし穴を掘っていたとして
気づく人が居るのだろうか
おしくらまんじゅうの通勤電車が行って還ってくる
むせぶ程の緑の原っぱに風が渡り
透き通る空の青さに包み込まれながら
小鳥とうたい
黄昏までのカウントダウン
くれない今日という日はないわけで
まちの遥か向こうでは
水墨画の中に溶けていくでこぼこの稜線が
玄関脇には
潤い知らずの空梅雨の緑に映えるあじさいの萎垂れていく色と
夕涼みに蓋をするように気の早い蝉がジジジと呟き
空が にやっと片目をつむった
今にも泣き出しそうな空
鬱屈する憶いまで塗り込めていく
しらちゃけた大地に空が投げキスのダイブ
待ち詫びた花弁にもジャンプ
透明な繭になって落ちてくる
ぽたぽたと追憶を綴る
忍び込む甘さが過去を叩き
そぎ落としていく憂いはどこに積っていくのだろう
青葉はそれでも溶けださず
雨の繭からかすめ取り
深く緑を濃くしていく
ひとみで煌めくキラキラの童心で
バシャバシャと踏み砕けばよかったのか
立ち尽くし 覗き込む水たまり
その淀んだ鏡に映し込んだものを
車の引き裂いていく硬質な音がリエゾン
線香花火の音と重なりユニゾン
空のかなたのホライゾン
まだまだ 繭は降り続く
ため息吐息夢の後
眠りの裾を翻し
そして儚く消えていく
たなごころにビイドロの はなぶんちん かざす
クリスタルに はねる こもれび
ひとみを いおとす きらめき
しろとくろが おりなすせかいへようこそ
まぶしさにかおを そむけると
じゃりとした したざわり と ともに
りんぷんの いろが うかびあがってきた
けだるさが まとわりつく
ゆうべに ておってしまった はなばなが
ちょう と ともに まいもどる
ペタル ペタル ひら ひら ペタル
かぜにそよぎ ゆらゆらゆれる かるき いろ
かろやかに かおる クルクルクルリ
とりどりのはなやぎを
そぅっと のぞいてみてごらん
あのこの こころが みえるかも
はなも ちらねば みのるまい
雨に降り込められた金魚鉢からみる世界は
刹那をその胸に刻印するように
モノクロームに沈もうとしている
埃っぽいアスファルトをひっくり返しにかえるの詩が
あめ あめ 雨と謳っている
コンクリートはいつか地にかえるのか
陽炎たつ先触れに
緑濃く茂るハッパの間に見える空はどんよりと
しがらみという膿みと倦怠感を引っ張りだしてきた
命や実りでギューギューに押し込められた憶いは
遠く月の砂漠を旅するフタコブラクダのこぶの中
大地から沸き上がる熱も飽和状態で
覆い被さってくる緑のトンネルに蓋をされ
風もどこにも逃げ場もなく 地に潜り
夏を揺るがす蝉の声に化けるよう
そんな街角のオアシスを抱いて
もう枯れ果てて日常を彷徨っているさびしんぼの代わりに
今日も 空が泣いている
水無月の海にあじさい色の傘の花
哀しみの膜に包まれていく予感
この哀しみの粒も海に飲み干され
輪廻する永遠の中に浮遊するようで
ゆ
ら
ゆ
ら
ゆ
ら
り
会えない憶い
雨雲に隠れてしまった天の川
切ない気持ちが蘇えり
サ
ラ
サ
ラ
サ
ラ
サ
ラ さ
ら
さ
ら
さ
ら
さ
ら
幸せのかけらはミルク色の花びらになって
満天の星空から零れ落ちてきたようで
みどり色の山から沸き上がる雲の花
いずれ ミルキィウェイに還るのか
真っ白なふかふかの絨毯が
空一面を覆い尽くす
笹の葉もさわわ ざわわと風が押し
さらさらと短冊を載せ
真っ白い雲と流れていった
会えるという願望 希望 羨望
胸に祈りの花を咲かせ
雲の遥か向こうを夢見る時
下弦の月のボートも揺れる
地上とは別の時間軸が流れ
こちらの一年はきっとあちらでは一日
日々の糧のため 機織り 牛追い
そんな働き者のおしどりは
ゆうべにお互いの元に帰っていく
そんな☆のつぶやきを七夕に見たのだろうか
モスキートにキスされて
わたしのあんよは
はれもよう
えらいこっちゃ えらいこっちゃ よいよいよいよい
サンバのリズムが吹き荒れて
かゆさの神輿が湧きあがる
夏の祭りに遅れるな
よいやさぁ よいやさ かゆいかゆいかゆいかゆい
かゆいかゆいかゆいかゆいかゆいかゆい
ヤ〜
あしたの事を語るのは
今とがっぷり四つに組んでいないと
靴下を頭にかぶっているとんまな気がする
それでも
死に瀕している枕辺に
はち切れそうな幸せをおなかに抱え
モナリザの微笑を浮かべる
その女が孫か孫嫁かまごまごしながら
枯れ枝のような腕を摩ってもらっている
そんな あしたを夢見たい
泪を拭うスワトウのハンカチ ふわり
夢を孕み 蝶となり ひらり
舞い上がれ 舞い上がれ 天高く
今から途切れず続いていくあしたに
心からの笑顔の花が咲き乱れている風景を
ただ一心に願いたい
未来から覗く今は万華鏡の煌めき
思い出がひとつ増える毎に
模様は徐々に複雑怪奇にめくるめく
ビイドロの巨大なレゴの間に見える空
暮れなずむその時
夕焼け雲が小さな感傷のベルを押す
あの子の泣きべそ顔のほっぺは茜雲
見送り駅のホームで
東に向かう列車を睨んでいた
摩天楼に煌めく灯りは泪のユラメキ
ステッキ片手にゆっくりと歩く老紳士と
白いレースの日傘の御夫人の
長く伸びる二つの影に溶けていった憶いは
銀色
紅く黒く輝き 透明になっていく
すぐ脇を
ランドセルをかたかたさせて
子供が駆け抜けていった
おうちに急ぐ人々の足音が踏み砕いたのは
零れ落ちたあの時の夢と
そして
なんだったのだろう
摩天楼の輝きは南極の煌めきに似て
梅雨空が霧雨のようなブリザードを呼び込む
クールビズなどどこ吹く風で皇帝ペンギンが
大挙して目の前を通り過ぎていく
陽炎が眩暈を連れてくると
季節の境界も曖昧模糊となり
せわしなく寄せては返す車の波
現実はやはり氷山の一角で
沈没する訳は星の数
あの潮流に乗ってしまえば
幸い棲むと言われても
言葉もいつか膿んでいる
群れから離れた
一角鯨の遠吠えがむなしく
貝殻の耳にこだまして消えた
どもってしまった空は
灼熱の夏を何処かに置き忘れたようで
パラパラ ピチョンと
リズミカルにとたんを打つ音 ことり
かえるの歌も倦怠感と一緒に にやり
大地に降り積もり
ぶく ぶく ぼこり
くらむぼんは喜びのため息をぷかり
澱んだ想いまでくるんと透明なヴェールをかぶり
発酵して鈍く確かに発光して ぴかり
星の瞬きも雨に溶け出し じわり
みどり濃いハッパの上で ぷくり
透明な宝石となってきらきら きらり
色とりどりの花々に灯される あかり
みどりの絨毯を粛々と歩む ゆるり
でんでん虫も空から ふわり
雨粒のまぁるいかんむり
ようこそ いらっしゃいませ!!
こちらは管理及び著作権主張者である山南薫のかけらです
興味が湧いたら 是非 別の箱もご覧ください(Jack in the BOXに置いてあります)
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