せぴあ色したおもちゃ箱 |
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Jack in the BOX
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じっとりと纏わりつく梅雨到来
全てを洗い流していくのか
どんよりとした濃度で塗り込めていく
ささくれていく こころ
蟻地獄にあしをとられ
ことばの鎧は重すぎる
立ち尽くし 膝を抱えた毎日に
日常の垢がつく
ギラギラのあかに焼き尽くされる前に
ほほをなでる風
空を見上げる
ちっぽけな自分
ゆりかごを揺らす
透明な眠りの裾を翻し
夜がため息をひとつ
パラパラとガラスをたたく あまおと
大地から沸き上がるあつさと
ねつの滴りに
味サイが帽子を揺らす
アスファルトは硝煙のかおり
かさのはながさく
しばし 追憶にまどろむ
あなたのうみにとびこんで
わたしをひろいにきたの
これはぶかぶか
あれはきつきつ
それはこそばゆい
どれならぴったりくるのやら
やわらかい驟雨につつまれ
おぼれるようにねむりこむ
わたしのすんでいる街には みどりの浮き島がありました
車は街の血液で 年がら年中休みなく
金魚鉢のその街の
朝一番の挨拶は
やっぱり ことりのさえずりで
猫が眠そうなあくび目を傾ける
薄紅色のともしびが みどりのわたぼうしを点火する
名も知らぬ とりどりのいろも
絨毯に織り込まれ
いっせいにいのちがわきあがる
アツクルシイ声を閉じ込め
こみちも うっそうと濃くなっていく
振り仰ぐと もくもくの白さをくっきりと碧に映し出し
いずれ 街をも飲み干すと
ドラムロールとともにガギグゲゴの煌めき
みどり色に抱かれたおもいが鈍色に発酵し
つめたく 澄んでいく毎にほほを染める
黄金を落としながら チリチリと紅く燃え上がる
冬将軍をも孕んだあおは
やがて 屋台骨ばかりになった丸裸の木々に
女王の忘れ形見を落とす
暮れなずむ街にもぽっかり茜雲
夜がしっとりと帳をおろしても
人は滅多に眠らずに灯りを求めてうろつき回る
そんな ときの狭間
みどりの風に吹かれに
今日もわたしは浮き島まで
ジットリと纏わりつく雨のヴェールは
西からさし込むその日最後の煌めきを二重の架け橋に変容し
ジャン・フランソワ・ミレーが1863年の春に見かけた虹のように
夕ご飯の買い物客でごった返す街並を自然のことわりとともに
一幅の瞬間として巻き取り
ゆっくり 夜に飲み込まれていった
そして
しらじらとまた今日があけていく
結構 命の鼓動は 姦しい
チュン チュン チュンと ことりは さえずり
カラスも 朝から 呼んでいる
車だって起きだして
もう 右往左往と動き出す
私は大きく 伸びをして
眠れなかった昨日を 追い出すの
さわやかな 朝を たっぷり 吸い込んで
タッタッタッタと駆けていく
ツンツンとんがり帽子のあおい草
影はびろうどのぬくもりを
テンテンテンテンと転がって
とろんとろんと溶けていく
そんな一日の始まりはいつも
たちつてと
きれいにいきること
ゆめをひきつけること
赤い靴とおどりつづけること
こ
と
こ
と
こ
と
・
・
・
・
・
花を抱いている人
みずをあたえましょう
ふしぎなように
とまどうように
とろけるように
ふ わ
ふ わ
ふ わ
り
ゆ ら
ゆ ら
ゆ ら
り
わたしをよんでいる
えがいてと
て
と
て
と
て
と
て
と
・
・
・
・
かき寄せる手と
散らしている手と
抱きしめる手と
満開に 咲き誇ってと
堀端をそぞろ歩く昼下がり
みなもに跳ねる煌めきの渦
キラキラキラと乱舞する
照り返しは石垣にまでめり込ませ
ユラユラ踊る水玉模様
ぷくりとコイが顔を出し
ぽかりと波紋をひろげてく
鮮やかな色も溶かしこみ
今 あでやかな蝶となる
メタファーとシメリの微妙なさじ加減に惑乱したいけれど
感情と描写の間でたたらを踏み
どうしても定型で落ち着いてしまう
ようこそ いらっしゃいませ!!
こちらは管理及び著作権主張者である山南薫のかけらです
興味が湧いたら 是非 別の箱もご覧ください
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