せぴあ色したおもちゃ

Jack in the BOX

 

   かげぼうし 詩的・私的考察  そよ風の贈り物  くもの巣の虜  
あかね色の郵便箱
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いらっしゃいませ!!どうぞ、ゆっくりご賞味いただけたら幸いです
著作権は放棄していません。文章以外の挿絵 壁紙は素材サイト様のものです

*夏を諦めて*

9月になってもまだまだ夏の残り香がひっそりと居座っていて

蒼い空に8月に探し損ねたもくもくの入道雲がどっしり縁取って

中々今年は鳴かずに死に絶えたかと思っていた

寝坊した蝉が未だに鳴き喚いている

それでも季節の針はしっかり秋へとシフトしているようで

間延びしていた昼を一生懸命巻き取りにかかる黄昏時の

立ち止まって見つめてしまう空の紅さ、そこから湧いてきたような赤とんぼ

夜は一日毎に宇宙に近づいていってる気がする程☆の瞬きもくっきりとする

*ハートフルヴォイス*

誰かの声を聞くだけで

お腹はいっぱいにはならない

オペラハウスいっぱいのドミンゴの声も

武道館を揺るがす平井堅の声も

身も心もちょっとはとろけさせちゃうけど

携帯から零れてくるあなたの声は

あたしの心をぬくぬくで

いっぱいにしてくれる

*オプティミストバンザイ*

偶然も奇跡も災害も
いつだってその辺の道ばたに転がっていて
宝くじみたいに
人に掴み獲られるのを待っている

最近、災いばかり
引き当ててる気がするのは
厄年だからかな、クワバラクワバラ

運命と言う訳の分からない理由で
後悔と言う楔をオブラードに包んでしまうけれど
それを選んだのは自分な訳で

うまくいった時だけ
努力なんて言うかっこいい言葉で
飾りたくなるのもどうかと思う

結局、全てが微妙なバランスで存在している奇跡を思えば
何をしたって素晴らしいと思うのが一番な気がする

*双子の花火*

夏の熱を切り裂いて宵闇に咲き誇る花火は

彩りと音の仲の良い双子の兄弟で

光と影、それぞれの役割をちゃんと心得ている

江戸の粋を三尺玉に詰め込んで

街のイルミネーションに負けずにきらびやかに

ド派手なパフーマンスを兄が繰り広げれば

弟は気持ちよくヒュ〜ンパチパチパチと言う余韻を

引きずって人の心の奥深く楔を打つ

空しく消え去るのみだと判っていても

陰と陽、二つで一つの心意気を

見せつけているのかもしれない

人の生も所詮無から生まれて無に還るなら

せいぜい潔く

ぱっと咲いては散っていく花火みたいに

彩りの兄の派手さには足りなくても

弟に見習って長く余韻を響かせたい

*羊羹の裏*

渋茶と一緒に供する三時のおやつ

羊羹が出てくるとなんとなく胸が痛んだ

歯の裏に引っ付いてくる粘着性
苦みを感じてしまう程の甘さ
綿々と続く伝統の重さ
洋菓子が醸し出す空気たっぷりの軽さととろける感触の正反対にあるもの
鶴の恩返し的勤勉さ
籠の鳥

羊羹を齧ると
をんなの流した血の味がする

恋だ愛だって言ったって
結婚はやっぱし、
練って練って糸をひいちゃった家と言う羊羹の裏までも
嬉々として食べ尽くす事だと思う

二の足を踏んじゃったら、心が風邪引くよ

あたしはベビーシューを摘むのが性に合っている
そんな気ままな自由が残っている幸せを噛み締めながら
香り高い紅茶にたっぷりのミルクを入れる

*魂、魂、降って来よ*

遅れてきた夏があおい空をひらく

零していったのは熱量と蝉の声だけじゃなく

あの時から又一年が積み重なって

封印してきた気持ちが崩れていく

月日が過ぎても消えない物ってあるんだね

いつか、風化してしまうのがベストだけれど

刻み込まれた想いは

余分な物まで巻き込んで倍増されていくのも確かで

夜を割くように雷に紛れて降って来た

引き延ばされた夏空が流したのは雨ではなく

あのとき引き裂かれてしまった時間と魂の叫びだったのかな

爆弾にされちゃった四つの飛行機と小さな街一個分の爪痕

夢じゃないから覚めやしないけど会いたいんだよ

*っ*

どっちかと言えばっ

濁点ばかりの人生だっから

たっまにはギャロっプでもしてさっ

ぶっ飛びながら次のコーナーを

曲がってみたいなっ

ねっ

そっしたら

きっと

グっジョブって

あいの手入れてっ

ピョ〜ンっ

*無量大数*

眠れない夜に羊を数えてみても

ウール100%のheavenly dreamが訪れる事もなく

二万一千頭位まで行った所で

東の方角に朝焼けの予感が貼り付きはじめる

一日中数えても十万頭にも満たない

眠れない夜を無駄に重ねる前に

人の一生を80年と考えると

たったの三万日弱で

70万時間、4200万分、

秒にしてやっと、二十五億二千万秒になる

こんな簡単な数の概念で数えきれちゃう

あたしたちの手のひらから

掬い上げたときのかけらと一緒に

永遠はいつだって零れてしまう

それでも無に還る時、閉じていたときが綻び

きっと永遠に追いついている気がする不可思議

ここまで来ると無量大数までほんのヒトマタギ

*なかったはずの*

勇気は境界線の狭間で

いつだって萎れていくだけで

零れ落ちてしまいそうな気持ちに

ぴったりと蓋をして

伝えなかった一言

感情の起伏のような山並みを

ゆっくりと雲が隠していく

嘘つきな唇が重ねる現実と

くすんでいく緑

笑顔の仮面

夏を諦めた空も泣いている

 

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