せぴあ色したおもちゃ箱 |
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Jack in the BOX
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寒さの残像を春に残したまま、
突然の夏日を卯月に出現させた陽気な天気は
風薫る5月に木漏れ日を堪能する前に梅雨を呼び込んだようで
喜んでいるのはでんでん虫とキノコばかり
拭い去れない澱みが降り積もり
五月雨に寝乱れて息苦しい毎日
きしんで黴びてきそう
焼き尽くすような太陽プリーズ
キノコのこのこ日陰の子
今日も雨てるてる坊主も泣いている
鬱屈した毎日にドット柄
カーテンをひいたみたい
密閉された浴室のようで
じっとりと纏わりつく熱
乳白色の気持ちはブルー
日に当てないと黴ちゃう
雨はブルーチーズタイム
人の心にはこびとが住んでいて
あのときの溢れた喜びや
あのときの零した怒りも
あのときの哀しみ、楽しみ、笑い、嘆き
あのときの怠け心もみんなひっくるめて
あの時のあの気持ちを
石に変えて磨きながら
お城を造っているんだ
とんちんかん とんてんかん とんとんとん
ごろごろ石もすべすべ石もぼやぼや石も
きちんと上手に並べてさ
石の数はどの人にも公平に与えられ
醜くて汚くて歪でも
捨て去る事はできなくて
どこかにちゃんと収めていくの
そう、人は生まれながらにして
一国一城の主である事は確かで
でもね
分け与える事ができるような気がしても
やっぱり、その人だけのお城だから、ね
あの人はとっても優しくて
広い懐に飛び込んでみても
絶対に入れない場所がある
うっとうしい毎日
何もしたくなくって
喧噪の中で友達の声が
頭上を漫然と通過していく
雨が降っているのを見るのが好き
出かけたくない理由が
優しく降り込めてくれるようで
風が渺々と唸っているのを聴くのが好き
危ないからと
おうちに籠っていても良いような気がして
それなのに今日は
チリチリとした鬱屈の導火線に火をつけて
蒼い空に太陽がほくそ笑んでいる
車には点々と雨のあと
ぼんやりとした心残りが
うっすらと貼り付いているのか
雨だれを♪に変えて鳥がさえずり
頭のなかをト音記号がうずまいて
きしみが不協和音を響かせていく
詩人はロマンチストでなくてはならない
詩人は飢えているのが良い
詩人は孤高を貫くべきである
詩人は言葉に剣を隠し持っている
詩人は無口だけど饒舌な筆力が必要である
時には八方美人のふりして近づいて
喰い尽くそうと画策している
詩人は鋭い洞察力を持ったペシミストである
詩人は体制や馴れ合いが嫌いである
詩人は我が道をいっちゃっている人である
途中で翼が折れちゃった元詩人や
言葉の圧力に負けて命を捧げる者が大半である
詩人は万人をねじ伏せるカリスマ性模索中
詩人は思想である
その旗に寄る者もいれば、弓を放つ者もいる
論戦を戦わせるのも一興だろうが
篭城を決め込んで嵐が通り過ぎるのを待つのも手である
プロパガンダに持ち上げられるのは
後世に任せておいたほうが身の為である
日本から3時間半、高度に慣れた躰は世界初の時速431キロの風景に晒される。
南京ロードに花吹雪は散らない。圧倒的な人ごみが蹴散らす埃が舞う。暗躍する
のはスパイではなくスリばかり。資本主義の国で引っ張りだこの技術は自国をも
潤し、底上げでは無く牽引の生産力として圧倒的パワーで立ち向かってくる。平等
であるはずのユートピアに貧富の差を産み出す。溢れているキッチュな商品は人々
を魅了し続ける。交通ルールよりも明確な原理が横断歩道に横たわり、人も自転車
もバイクも車も我先に急ぐ。ぼやぼやしている先にあるのは死のみ。決然としている。
バンドに吹く風は甘く、1930年代に建築された石造りのクラシカルなアール・デコの
ビルディングは感傷の旗を振る。翻ると468メートルの串団子のようなテレビ塔が
そびえ、近未来のグラッシーな摩天楼の壁面はオーロラビジョン。様々なコマシャール
が消費されていくスピードに負けず流れていく。帝政ロシアの旧大使館は30階以上の
高層団地を含む住宅地を販売する展覧会場へ、東洋の魔都はスケールアップして今に
蘇ってきた。豹よりも速く変貌する都市、セピア色に総天然色のモザイクを点滅させる
上海、しなやかにあれ、壊れたもう事なかれ。
ちょっと熱っぽいかな
連休明けで
仕事立て込んでたっけ
明日休めないや
また雨だ
ねぇ、るぅるぅ
雨って
風邪を引いてないか
寝込んでいないか
ちゃんと食べてるだろうかと
心配し過ぎた
おかぁさんの
ため息みたい
ねぇ、るぅるぅ
プチ家出で彷徨えるのは
おうちがあるからだね
ちゃんと大好きな御飯をこしらえて
お部屋を掃除して洗濯までして
待っていてくれる人がいるからかな
ねぇ、るぅるぅ
氷枕してお粥さんを食べさせてくる
おかぁさんが恋しくない?
ひとりぼっちのお部屋では
雨が降ると寂しい
ねぇ、るぅるぅ
鈍色の雲に覆われた空は
湿り気よりも寒さを貼り付かせ
初夏のはずの陽気に楔を打ち込む
絶対、赤が足りない
蓄積されていくのは垢ばかり
くすぶっていく気分は盛り上がらず
爽やかなはずのあたしの5月は風前の灯
月の砂漠を行く駱駝が食む緑はいっぱいあるのに
ぎくしゃくと軋む錆び付いた音が空回りするばかり
なんだかナァな毎日
熱量は何処に雲隠れしたのか
ブルーに塗り込められていく
狂っていく季節は
後戻りを繰り返し
あたしの五月晴れを
連れ去ってしまったのは
確かかも
ようこそ いらっしゃいませ!!
こちらは管理及び著作権主張者である山南薫のかけらです
興味が湧いたら 是非 別の箱もご覧ください
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