せぴあ色したおもちゃ

Jack in the BOX

 

かげぼうし  そよ風の贈り物  詩的・私的考察  くもの巣の虜  あかね色の郵便箱
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いらっしゃいませ!!どうぞ、ゆっくりご賞味いただけたら幸いです
著作権は放棄していません。文章以外の挿絵 壁紙は素材サイト様のものです

*溺れていく夏の*

あおい空に溺れていくはずが梅雨空に阻まれて

灰色に沈み込んでいく毎日

2006年梅雨は文月最後の日曜日にやっと

夏空に明け渡さずに秋にすっ飛んでいったのか

*☆に願いを*

年に一度の七夕当日は朝から

日常の憂鬱が蓋をしたような曇り空

地球全体を水の中に

沈み込ませたようで

纏わりつく湿気で少しだけ呼吸困難かも

空が泣き出すのは時間の問題かな

定時にさらさらと飛び出すはずが

月曜提出の稟議書をやっとまとめ

窓の外に目をやったとたん

接触してきたあらい君が持ち込んだ重大案件に謀殺

暮れていく空に目を止める暇もなく

あぁ、終電間に合うのだろうか

雨降らないや

東京の空は夜になると

降ってくる☆に負けずに

色とりどりのネオンや

摩天楼の警告灯が賑やかで

間違えて願い事をしても

叶えてくれそうなかみさまが

どこかに隠れている気がする

*くもの巣に絡まって*

新しい世界を開く事で
新しい不自由も
引き受けなければならない

コンピューターは未だにあたしには
ブラックボックスである事は確かで
黒い魔法の小箱の扉を開けると
静かに息づいている世界があった
めくるめく目新しい冒険談のまっただ中に
放り出された気がして
覗き込んだ世界に
絡めとられていく
終わり無き物語

喰い尽くされないようにお気をつけなさい

*ロリポップキャンディに見る渦巻き考*

仕事が楽しくって
忙しさも勲章だと思っているうちに
携帯のメールもおざなりになっていく毎日
すれ違いばかりのあたし達
待ちぼうけを喰っている奴が
新しい局面を模索するのは世の常で
好きな娘ができただって
振られちゃったんだね、あたし

飛行機で12時間余りも懸けてやってきた
プレゼンで大チャンボ
部長には苦虫をつぶした顔で
失敗は誰にでもあるって頷かれちゃうし
荒井君を怒鳴るように叱ってくれても良いのに
女の子はヤッパリみそっかすなのかな
こっちが肩肘張って、やっと男の子の遊びのルールを覚えて
それを厳守したつもりでふと踏み外すとは
全くなにやってんだろうな、あたし

ホテルの部屋にまっすぐ帰る気もせず
ドラッグストアに寄って色々ゲット
日本のコンビニのこちらの機微に付け入る
甘いものには比べようもない
どぎつい原色のお菓子達
顔よりもでかい虹色のペロペロキャンディ
舌までまっさおに染める着色料
口の中で爆ぜる刺激
見つめていても目を回せっこないのに
なんで渦巻きなんだろう・・・
こんなにはっきりした色のくせに
どんどん翳んで
あたしの世界と一緒にグニャリと曲がり
ちょっとしょっぱい味がした

*ブランコ*

幸せさ 夢と希望を行ったり来たり

ブランコから 見上げる空も 蒼かった

ブランコは 井の中の蛙 やっぱりね。 旅人達を 送迎するため

空高く 一生懸命漕いだけど 夢の未来に未だ届かず

* 夢 色 透 明 *

夏ひらく夢は

空に爆ぜる大輪の花

ほんのり蛍の揺らめき

風孕むびいどろの澄んだ音色

今を鳴ききる蝉の声

儚く琥珀色に透ける抜け殻

明けていく毎日の残像

*あ〜ぁ、夏休み*

絵はがきのような花丸正しい夏休みには
入道雲と蝉の声と蒼い海の三点セット

空と大地をパッキリと分ける入道雲は
どこまでも大きくまっしろで
桃源郷までいける螺旋階段を隠す
蝉はサイレンとプレーボールの掛け声と供に
ヤッパリ今年も儚い夏の似姿として
琥珀色の夢の抜け殻を添えてくれるはずで
ギラギラと照りつける太陽を浴びて
海はどこまで蒼く夏を反射させる鏡

それなのに

粘り着く湿気にペシャンコにされている毎日
空も雲の占有率が100%を下回る事もなく
見る物全てにミルクの膜がうっすらと貼り付いているよう
未だに耳鳴りのような空気をつんざくせみの声がしない
気の抜けたようなサイダーのようで
溺れる事もできやしない

*クリスマスはバーゲンで*

ギラギラの太陽と茹だるような暑さのもと
癇癪を起こしたような蝉の声を聞きながら
ホワイトクリスマスの事を考えるのは無理があるかも
波をけたててトナカイの代わりにサーフィンに乗って
アロハのサンタさんがホゥホ、ホ、ホゥと朗らかに笑っているより
地獄の釜の蓋が開き 鬼が不気味に笑っていそうな気がしてしまう

クリスマスは本来、イエス・キリストのお誕生日を祝う日という事で
日本古来の風習ではなく
海を渡ってやってきて日本的にアレンジされていった
恋人達のせいなる夜であったり
商店街復興の一大スペクタクラーな電飾ギラギライベントだったり
自分を褒める為のご褒美だったり
商魂逞しい商人の腕の見せ所かもしれない

そう、クリスマスはもうとっくに亡くなってしまった
イエス・キリストの事を思い出す行事であるとなると
日本のお盆と同じだと言っても
決して過大表現で摘発される事は無いかもしれない

クリスマスにはやっぱり
お誕生日を祝う訳だから
イエス・キリストの代わりに
大事な人にプレゼントをする時だ
と考えると
一年で一番安いサマーバーゲンで
そのプレゼントを誂えておくのは
ちょっとお得かもしれない

家族への新調すべき日常的消耗品を
クリスマスバーゲンで血眼になって求める
肝っ玉アメリカかぁさんの姿は
財布の紐を片時も緩めない
賢いジャパニーズおふくろさんに
相通じるはずである

*ブラックジョーク・ホワイトノイズ*

ハレーションしそうな圧倒的光量が

雲隠れを始めると

夏はブラックなジョークそのもの

太平洋高気圧は昨日の前線に押し切られて

雨のノイズで水浸しの状態

日本列島はホワイトアウトして

沈没しそうな勢いである

黒か白かの梅雨開け宣言は

灰色の空で覆われて

カッパの河流れ

赤ふんどしの吹き流し

馬に耳に念仏

カンカンで洒脱な諺も

陽射しと供に逃走中

季節はしっちゃかめっちゃかの反乱軍に

占拠されてしまい

手旗信号は何処かあさっての方角で

勝手気侭なニュースを流していく

いとあはれなり

*人の会話*

あ、お帰りなさい
お疲れさま
シ、静かにね、うちの天使は夢の中です
あ、汗臭い手で起こしちゃダ、メ
今日は久しぶりに水遊びしたから
ミホちゃんはもうぐっすりなの
ほら、早くお風呂入っちゃってね
夕ご飯、ちゃんと召し上がったの?
え〜、それだけじゃ夏バテしちゃうわよ
トウモロコシがあるから、チンしようか
あたしもビールが呑みたい気分だし
豆腐もあるし、枝豆もあるんだな
鴉だってもうちょっとゆっくり入ってそうなのに
もう出ちゃったの!
あぁ、もう、ちゃんと拭いてないんだから
何か、ミホちゃんより世話が焼けるみたい
ホラ、今日から、あそこのコンビニがオープンしたじゃん
前通りかかったら、いっぱい風船もらっちゃったのよ
ミホちゃんは大喜びだったから
何度も行ったり来たりしてしまったんだ
そうそう、ミホちゃんはきっと泳ぐの上手かも
お風呂も大好きだし、水遊びも気に入ったみたい
やっぱ、夏休みは山よりも海に遊びにいきたいかな
海岸は究極の砂場みたいな物じゃない
保養所の抽選、通ると良いね
ウン、これ片付けちゃったら、早く寝ちゃおうか
この前みたいに眠っちゃわないでよ
疲れてるんじゃないかと思って起こせないもん
ハ〜イ、待っててね

おしゃべりは相槌があるだけで暖かく進んでいく

願わくば、この広い空の下が
たくさんの温もりいっぱいの
幸せな会話で埋まっていますように
と、地球観察に励むおつきさまが思ったある夏の夜のことでした

*溺れていく夏の*

夏はいつだって始まった時に
その終わりを予感させ
短さ故に溺れ込む郷愁を誘う
閑々と照りつける陽射しに
ハレーションを起こす毎日

人はいつだって嵐の夜に
漂う一艘の小舟のように心もとなく
きらきら揺らめく夜光虫のように堅く儚い

少年の抜け殻が蒼く煌めく夏に
ずっと恋しているあたしは
夏の吐く激情の熱に浮かれ
大海に漂うくらげの気分

それなのに

夏の足音はどこかで躓いて
太陽を零してきてしまったのは確かで
ずぶずぶと砂嵐に閉じ込められたよう
湿気に絡めとられて
生き難い世の中で息継ぎを忘れ
羊水のような日だまりで溶けていく現実
溺れていくはずのあおい空は雲隠れ
空とあたしの蜜月を焼いてくれる太陽は
灰色の空でしらけていく

かげぼうし  そよ風の贈り物  詩的・私的考察くもの巣の虜あかね色の郵便箱