せぴあ色したおもちゃ箱 |
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Jack in the BOX
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雪には冷たさと言うよりも
フワフワとした暖かさを感じるのは
なぜでしょう・・・
あなたにはどんな雪が降っていますか
今朝、アスファルトの街も
うっすらと砂糖漬けされたようで
ヘンデルとグレーテムの本に挟まった気分が
ちょっぴりします
全ては想定の範囲内で休日が始まった
電飾に彩られ始めた頃は
こんなにも寒くなるとは
小春日和を満喫するうちに
日めくりの残りもあと僅か
誰かの哀しみの涙が凍って
空から降ってきているのか
将軍からの緊急連絡網は功をなしているようで
ふかふかの真綿にシュガーコートされたような
戦局を表す地図は一面の銀世界に占拠されてく
北風小僧に白星を 大盤振る舞いの大活躍
人の矮小さをくっきりと映し
交通網と電線は大打撃の模様
パウダースノーを満喫するには申し分なし
暗闇の中
まっしろな雪が
舞っている
遥か彼方の高みから
白い花が舞い落ちる
音も無く
無邪気に
降り積もる雪は
やがて
世界を
ひといろに塗り込める
憶いは流れ
滔々と行く迷路のよう
どこかに嵌ったのか
この寒さに澱みは
いつの間にか凍りつき
びくともせず
やがて
凍ったため息のような
くすんだ色の雪となる
春は遠く
蕾は未だ堅い
しゃらしゃらと
粉雪が風に渡る音
鈴の音も高らかに
朗らかな笑い声が
こだまする
雪山が呼んでいる
動物のアシアト てんてんてんと
梢からがさっと雪帽子が落ちる音
真っ白な大地に
シュプールが描かれていく
暖炉にはもみの木のはぜる音
マシュマロとアイスクリーム
トッピングしたホットココア
ここは
絵本を読む母の声の
こだまする
懐かしいひととき
初雪が くちびる めがけて キスをした
初雪の オンザアイスで きこしめす
あぁ 重い ゆきのふとんは かさばるよ
雪解けを待ってる日々が重なってお日様の顔忘れ果ててく
音も無く降り積もりいく
密やかに
無邪気な白さに牙隠し持つ
内助の功には触手が動くけれど
オルレアンの乙女に思い入れは無い
王女でもない一介の農村の娘が
神の啓示を受けたことで
歴史を変える働きをしたのは
まぎれも無い事実だろうけど
御落胤だったと言う噂もある
それでも
詩や絵画に描き出された彼女に
会うことができる
600年も前の少女
波乱で濃密な人生を送っても良いかなと
チラっと思うのは
間延びした今に膿んでいるからだろうか
夜と昼間のあいだには
真っ暗闇の泪川
ほんの些細なひとことで
抜き差しならないドツボに嵌り
この頃の寒さも張り付き凍えてく
あまい言の葉に ほだされて
安眠毛布のクモの糸
音が静かに 降り積もり
溺れる日々を懐かしむ
冴え冴えとした青白き光のもと
一艘の笹舟が粛々と進むうちに
かじを忘れたせんどうの
指針も決まらず
ぐるぐる回る
急流下りのラフティング
転覆するのは時間の問題
持ちこたえろ あと少し
あたしの夜明けはもうすぐだ
時々は流れに身を任せ
漂うのも一興
それでも
自分のうちなる声が
一番であるべきだよね
寄せてくる波に飲み込まれそうになり
たまさか、溺れそうな気分でも
翻る強さが欲しい
仲間はずれは嫌い
徒党を組むのも嫌い
処理能力以上の情報は収集したい
結構欲張り
いつも前だけを見つめて
お日様の下で笑っているくせに
滅びに美学によろめいたりもする
夜のしじまで透明な皮膜に包まれ
海のはらからを一粒
ポロロンと零す
耳をすますと
聞こえてくる声ではなく
目をつぶると
聞こえてくる声を追いかけたい
シャラシャラシャラと
真白き花が
舞い落ちる
コンクリートジャングルを
すっぽりと
シュガーコートして
粉雪が降り積もる
あま〜くあま〜く
全ての音を
吸い取るように
白色に塗り込めていく
シャラシャラシャラ
銀の足枷、白金の鎖、白い花
だれの行く手を阻むのか
雨、あめ。雨、あめ。飴、あめ。天、あめ。
あめが降る
名残の雪を消し去るように
マシュマロの時間が溶けていく
冬眠オネムのおつむにも
シトシトシトと
雨が降る
冬の夜空に蓋をしに
春風と北風が縦糸と横糸を敷いて
ぽろんぽろんと
あめが降る
季節の綱引きは今たけなわ
宇宙まで大きな口を開けていた
空に
紗のカーテンをかけていく
シャラララランと
雨が降る
さむ色にみどりを隠し
ほころびを予感する
静かにしっとり
あめが降る
春まだ浅い、冬空を
バッサリとまぁるく切り抜いて
茶色の小瓶に詰めましょう
だんだんと伸びていく日暮れ時と影を
ちょっぴり三角に千切ったら
茶色の小瓶に詰めましょう
実は朝寝坊の朝焼けを
四角四面に裁ち切って
茶色の小瓶に詰めましょう
りんご時間午前2時
美代ちゃんの呪文を一つ呟く
は〜やく来い♪
茶色の小瓶のインク
たっぷり、心に染み込ませ
あなたに手紙を描きましょう
えぇ、もちろん
インクは甘い、甘い苺色
そして
薄紅色のともしびを
そっと瓶から取り出して
ぷわっと寒空に散らしましょう
春風さん
ご指名入ります
ようこそ いらっしゃいませ!!
こちらは管理及び著作権主張者である山南薫のかけらです
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