せぴあ色したおもちゃ箱 |
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Jack in the BOX
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梅雨明けから こっち 夏空は何処かに雲隠れしていたようで
台風一過で久方ぶりの蒼い空と燦々のSUN
やっぱり 夏はこうでないと
暮れそうで暮れない夜を抱えて
西の空は橙色の熱さを振り絞る
雲はたそがれいろに染まらずに
うっすらとはい色のヴェールで
どこかに逃れるのを阻んでいる
境界線を緩め昼と変わらぬ蒼さ
きっといつもより多めのときを
コーヒー色の夜に溶かしている
蝉は気の抜けたビールのようで
ただ 湿気と憂いを連れてくる
ゆっくりと別の次元の扉が開き
ぼんやりとした心残りを揺らす
そして戦場は未だになくならず
TVでは朗らかに50周年を祝う
魔法の王国の特別番組が流れた
(1955年7月17日開園)
燦々sunとおひさまサン
散々な夏とならぬよに
なつ なつ なつ なつ いけサマー
きサマとおれサマ どなたサマー
ゲコ ゲコ ゲコ かえるサマー
いるいるいるいる いるかサマー
おぅ おぅ おぅ おぅ おっとサマー
ぶっちゃけ はっちゃけ おつかれサマー
寝苦しかったゆうべの夢と同調するようなしがらみ
とろんとした灼熱の一日がまた 切って落とされた
熱さと湿気は陽炎たち世の中にもやもやと存在する
みどりの上には透明なビーズとなってキラキラ輝く
あおと白をわけるパッキリとした夏の印はまだない
それでも蝉はジージーと覇気のない湿った声を上げ
ファゴットの音階練習につきあっている太鼓持ちで
ラジオ体操第一のかけ声とは裏腹で夏休みが始まり
清々しさと供に悠久の時をかき回している人がいる
そして降り積もっていく ことばの磁力の事を考え
焼き尽くされる想いにお悔やみをひとつ となえる
ほら地獄の釜の蓋が開き 猛暑が沸き上がってきた
肌の色も言葉の壁も乗り越えて友ができる今
地球上の世界を3つに分けるとしたら政治的 宗教的 経済的 地理的或いは何?
歴史は繰り返すと思いますか
今までにあまたの文明が起こり
波のように砕け やがて静かに散っていきました
あなたの立っている瑠璃の玉はどこに向かっていくのかしら
あなたの思惑と手をつないだ人の考えは同調も反目もするでしょう
自分自身だって揺れ動いているのではないのかな
確固とした自信だって変容しないと言い切れますか
しがらみでがんじがらめにならないとは限らないし
あなたは友に弓引く事ができますか
自分の信念の為に
人々が手を携えて創られた国という船
その船に乗った人の夢は水のように変幻自在で
ややもすると大波に飲み込まれて転覆させられているかもしれない
夏草に遥か遠くを見やったら曹操 劉備や諸葛孔明の仮面をかぶって
ジョージやビンラディンや小泉君が駆け抜けていく
ヒーローになりたがっている少年は真っ赤なマントを翻す
しょうがないなぁと思って追っていく少女の為に
どうぞ 海と大地と空と命を残しておいてください
カタカタと軋んだ音をたてて 五線譜の上に
吐き出されていくのは あの夏のことでした
紙杓子で掬ったあかい金魚を手放したのは僕
とっぷりと暮れた空にあめが降りつづいている
何処かに傘を忘れた僕は恨めしく外を見つめる
母さん、覚えていますか
僕がなくした麦藁帽子を
西日で焼けた畳の上には
ゆらゆらとみどり揺れる
空っぽの硝子鉢がひとつ
下駄箱には紅い鼻緒の突っかけ
積み上げていった想い出の欠片
渺々と吹き荒れる砂色の明日
という 嵐を従え 雨が降る
バシャバシャとすべてをみずに
流し 膿んだ日常を蹴散らして
そして 僕は ひっくり返った空に
ちっぽけな自尊心で漕ぎだしていく
緑濃くなっていくいま
螺旋状に張られた弦を
つま弾くのは雨なのか
雲がちな空は拠り所を
なくしたボクを照らす
台風一過の
花丸二十丸な紺碧の青空
さわさわと風とクラゲが遊ぶ
ミンミンゼミは溺れた模様
徐々に あおが薄まっていくと
どっこい 生きてる ジジジジジと
大地を揺るがす うなり声が
しおしおしおと しおっ垂れた しみったれ声
かねかねかなと 金無心
おうしんつく と 郵便屋
みどり 渡る風と 一緒に
真っ盛りを
もくもくのしろさに
縫い付けて
朝も はよから
鳴き通し
時 時々 晴れ
ドキドキ 曇り
時たま 雨降り
お庭では樹木の濃い緑のかおり
楓の薄い葉脈を橙色に透かして
ぼんやりとあかりを灯したよう
せみが癇癪を起こしたように煩く
辺一帯の熱をゆるゆるとかき回す
それでも
ビイドロの膨らみがかぜを孕んで
チリリリンと涼を縁側に運びます
お昼寝でまどろむ赤児と猫
ぼんやりと ながめて
銀のスプーンで氷水を一口
何もしない怠惰を二口
夢のお国に咲く花は
やはりどこか摩訶不思議
朝には向日葵色にきいろくそよぎ
夕べに静かに紅く散っていく
まるで黄昏時に恋したように
魔法の杖は 降りおろされる ティアレの花の甘い芳香はきっと
一種の魔法の呪文のようで
全てを夢と幻の中に収めていく
地上最後の楽園と言われる一年中 常夏のその島では
判で押したように6 時過ぎに
お寝坊なお日様は
クルスタルクリアな海から
顔を覗かせる 雨の帳が降りてる朝は
全てに紗がかかったように鈍色で
その重たげな海の色も 触ると鉛になりそうな予感
しらっといつの間にか
中天に居座っている
やっぱり蒼白く発光しているお日様が
コーラルブルーやエメラルドグリーンの
きっぱりとしたしましまな海を造り出し
あたし いつもの時間に出勤してきたからねぇと
きかん気なおババな顔もちらっと見せつける
700万年前に起きた噴火で浮かび上がった島
切り立った岩肌も露に
でこぼこの緑の山並みそのもので
そのまわりを環礁で閉ざされた
ラグーンが縁取る 燦々と煌めく陽射しに負けぬ
ド派手でカルフルなおさかなは
きらびやかに着飾っていて
なんびとの目も虜に
してしまうでしょう
どこまでも底抜けの蒼い海にぽっかり浮かぶ緑の島
環礁でくだける波の間から
雲も時々生まれます
なんだかバカみたいに透明度の高い真っ青な海
この美しくも完璧なラグーンは
パラダイスに片足を突っ込んでいて
冬というには暖かすぎる気温と
乾季の風が心地よく
さらさらの真っ白な
パウダーのような砂浜を渡り
ヤシの木を揺らす 底抜けに明るい陽気な蒼を見ているうちに
いつの間にか
一瞬時の流れも止めてしまう
圧倒的な夕焼けが始まります
雲を白く発光させて海を黄金色に変え
海と空をコーヒー色にブレンドして
朝寝坊なお日様は 静かに夜の幕が切って落とされる
きっかり12時間の勤務時間を守って
夕方6時にはおやすみの体制に
海に沈んでいくのを見過ごして
茜雲を見ているうちに いつのまにか
半月がニッカリ 微笑んでおりました
煌煌とした月明かりに負けずに
満天の星も降ってくるようで
なにがなにやら 星の並びもいつもと違って
ところで あれが南十字星だろうか
一等星だけのスカスカのそらと違い
賑やかな星の瞬きに惑わされて えぇ
この島は緑と蒼の真珠のような地球の雫そのもの
びろうどの摩天楼のイルミネーションは
そら一面の宝の地図をまねっこしてるお猿のジョージで
洪水のように瞬く人々の営み
その埋まらない孤独のうたを
窓から溢れる光は囁いている
灯りを消せば
自然の恵みを直に感じ
何億光年前の☆の物語も
耳を澄ませば聴こえてくるのかも
南太平洋の満天の彩りのもと
ヤシの木を渡る風に揺られ
ふってくる☆を数えていると
この手に掴めそうな気がしてくる
目をつぶってもつぶらなくても
ふわふわと宙に浮いてくる
☆の欠片は僕のもの
でも慌てちゃいけないよ
宝を掴む運命を切り開くのは語りかけてくる
あの☆ではなく
僕自身さ
ウィリアムも言ってたじゃないか
It is not in the star to hold our destiny but ourselves.
夏の時間が立ち止まって
気まずく澱んでいく空に
ボクは向日葵のように
からすがためらっている お日様に向かって飛ぶ
朝は昇っていく朝日に
夕は黄昏れてく夕日に
いつでもどこでもどんなときも 目は決してそらさずに
まっすぐ向かっていく
瑠璃色に溶けていく夢を踏みしめて
かたくなな面持ちで真っ黒な弾丸になって
まっすぐにお日様までつき進んで向かっていく
熔け出した夢の錆び付いた夜
カタカタと軋んだ音をたてて
綴られていく 砂色のあした
とわの眠りを 誘い出す
渦巻く 幽玄と無限の境
砂漠に花など咲きはせぬ
そんなことは 自明の理
渺々と吹き荒れる未来に
空色の種が生まれました
白と黒の狭間の緑の暗躍
光の明滅に跳ね返されて
木漏れ日の煌めきのなか
白く発光を始める 夢幻
赤とんぼのルビーをエメラルドの草原に置く
蝉の抜け殻の琥珀の透明の輝きを 散らした
虫取り網の少年の心はダイヤモンドの煌めき
南南西からの風向きが変わった
月光を孕んだ虹色の真珠を胸に
大空いっぱいに希望の帆を張れ
いろと祈りの養分を吸って
コスモスが風に揺れている
もくもくの白さを
蒼い空に貼付けていた夏は ミ〜
ろうそくの灯火なのか ン ミ
最後の悪足掻き ン ミ
ン ミ
ン ミ〜
ン
ヒグラシに明け渡す気もなく
大地を震わす絶叫でお題目を唱えている
べっとりと張り付く熱と湿気を
ゆるゆるとかき回す風は
どこまでも停滞しているようで
空は高さをぐっと低める
涼を運びに
おしめりは
やってくるのだろうか
風鈴を孕ませもせず
みどり色にへばりつく暑さ
それでも 季節はゆっくりと
移ろいの羅針盤のその針を
秋へとシフトさせていくようで
茜トンボも空に負けずに ゴキゲンヨウ 秋ダネ モウ
低く気ぜわしく挨拶をかわす ホラ ママゴンノ 監視下ノモト
虫取り網ハ 机ニ 齧り付イテイル
野原ハ ボクラニ 返サレタ
その夜 橙色の欠けていく歪んだ月が
地面すれすれに東の空に現れました 忙しウサギのチョッキから
懐中時計を盗んできたら
ハンマーで
たたき壊してしまうのさ
アルバムのページが増えるようには
埋まらない真っ白な帳面
蒼い海の色に染めよか
緑の木陰に籠ろうか
風前の灯火の夏休み
宿題はまだ終わらない
見慣れた色を
白の画用紙に滴らせて
絵日記も中途
朝よ くるな
朝顔は枯れず
蔓を天まで届かせて 僕はジャック
金の雌鶏は僕のもの
ここは蚊帳の海
潮騒が呼んでいる
僕はずぅっと夏模様
ようこそ いらっしゃいませ!!
こちらは管理及び著作権主張者である山南薫のかけらです
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