せぴあ色したおもちゃ箱 |
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Jack in the BOX
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今年は夏が遅くまでどっかりと
腰を落ち着けていた分
秋を味わい尽くす前に
冬将軍がタクトを振り始めちゃったようで
様々に色付いた木の葉が踊る中
耳をすますと
北風小僧の寒太郎の口笛が聴こえてきました
うららかな小春日が微笑み
空が蒼く透きとおり
宇宙の果てが大きな口を開けると
風が乙女を呼ぶ声が聞こえる
こんな日はお布団でも干しましょう
この頃、冒険談がいっぱい詰まった
世界地図を見かけなくなったな
何となく人恋しくて
しまい込んでいた炬燵もついでに出しておく
コトコト煮込んだ あったかお鍋を囲んで
ふぅふぅしながら一日の出来事を振り返る
お日様のシャワーをたっぷり浴びたベッド
一人寂しくシナモンの効いたホットワイン
ほんのちょっぴりの幸せに酔い
更けゆく夜はまだ始まったばかり
ほっこり火照って窓を開ける
風に乗って
欠けたひとひらの薫りが
溶け出した夜から聴こえてきた
お〜い、元気かぃ
おやまにはもう風花が舞い始めたって
のしかかってくる重苦しい冬空に
凍えそうな日の光
ぽつん
おさびし山を懐かしむ
Yah
どっから来たのかな
Yah?
やっぱ、ドイツなのかい
Yah
ちょっと気の利いたyes manみたいだけど
Yah?
困ったね、通じてないのかな
Yah
おさびし山の呼び声か、鴉が呼び合う
西の彼方で
柿よりも熟しきったオレンジ色の滴り
静かに夜に沈んでいく中
空がピンクに染まっていきました
北の国では雨粒が
まっしろな六角の花を咲かす頃
運命をギュっと掴んでいたその指は
夢や幸せも白く結晶させたようで
すべからく物事は
原因があって転がりだし
人との出会いも必然で
きっと、そこには意味があるはず
嫌になる程事件事故で溢れている
その隙間をぬって
奇跡的に生きているのか
砂糖菓子のような幼子の
あまい誘惑に負ける奴がいる
学校はガラスの動物園のようで
蒼く透明で無垢で
宝石のようにキラキラ輝いている
綺麗だけれど ガラス細工は儚いのか
手折るのは容易い
涼やかで高らかな音色で
さんざめき共鳴しても
表面は硬質で冷たく
決して他と交じる事は無い
綱渡りのような第一歩を踏み出し
死んでいった者を贄や人柱として
微妙なバランスで立っているのか
私は知らない
うちのキッチンには
ピラニアが
生息している
いつもは
気のいい
スヌーピー面して
猫を
かぶっている
風の日も
雨の日も
雪の日も
朝晩の散歩を
愛しているが
実は
炬燵で
丸くなるのが
好きな
一日の大半を
寝て暮らせる
暢気者
しかし
台所で
ガサゴソ
料理を
始めると
入れ食いの
釣り堀の魚よりも
優秀に
あたしの足下に
纏わりつく
奇襲攻撃で
テーブルにまで
茶々を入れ
野菜の切り屑が
落ちてこよう物なら
嬉々として
ピューマより
鴉よりも
素早く
狩っていく
全く
どうしようもない
お嬢さんは
真っ黒な
つぶらな瞳で
嬉しそうに
ワンと
答える
あたしはまちの人気者
運動会には引っ張りだこで
野良達の羨望のまなざしに囲まれる
気のいい、やおやのおいちゃんや
魚屋のあんちゃんから余り物の貢ぎ物
喰いっぱぐれる心配は無い
オリンピック競技の陸上の花形強化選手に
逆立ちしても選ばれる見込みは
やっぱり、何処を探しても見つかりそうもない
あたしとうたの間には深くて長い溝がある
パン喰い競争ではダントツをその前に佇んで小石のような言の葉を散らし
果てない遥か遠くの音に耳を傾ける
底は見えない
あちらから天使のうたが
雨霰と降ってきて
大きな河の流れができたとき
泳ぎ渡れるように
トライアスロンを趣味にすべきだったかも
あぁ、そういえばカナヅチだったな
背中がむずがゆくなると
嬉々として鏡に映してみても
見つかるのは虫さされ位で
羽が生えてきそうな気配もない
夜になると
戦利品のクリームパンをほおばりながら
満月には哀しき遠吠えが
星降る夜には切ない願い事を祈るうたが
風に乗ってむなしく谷を渡る
こだまが聴こえてくるばかり
Twinkle, twinkle little star
So I’ll know where you are
Glimmering in the skies above
Lead me to the land I dreamed of
Peter PanのLyric 「The second star to the right」から
おとといまでのぽかぽか小春日和から一転
きのうはどんよりと冬枯れが
しこったような空模様で
天気予報も縞模様を
綺麗に入れる為か
季節の針を先に進める一押しか
下り坂に向かう予想
朝、カーテンを開ける前から
雨がリズミカルにうたっていた
10年越しの愛を祝う門出に
雨降って地固まる例えの通り
バタバタしながら
日常を塗り込め
晴れ着の鎧を装ううちに
いつの間にか雨は止んでいた
あらしの余波なのか
はたまた 世間のしがらみだろうか
木枯らしが 落ち葉といっしょに
チリと涙 芥とおもいまで まきあげて
足早に歩いていくコートをくすぐっていった
そして 今 スコーンと抜けた
あおいそらを 見上げる
ほら、行ってらっしゃいと言う
微笑みを置き去りにし
ガムシャラに生きてきた気がする
コチコチと時を刻む音に苛まれて
うちには時計がない
ただいまの声にシーンとした家鳴りが怖くて
いつでもラジオが鳴っている
時計よりの有能に一日の挨拶を忘れないようにと
一方的なおしゃべりにも心安らぎ
なくてはならない
心強い相棒なんだ
生まれ落ちてから死ぬまでに
自分自身でプロデュースしていくうちの
一大イベントである事は確かで
お誕生、お七夜、お宮参り、お喰い初め
初節句、七五三、入学式に運動会
成人式、卒業式などの親として喜ぶ
儀式以外 ほぼ衰退した今
自分が人としてどうありたいか
宣誓できる時でもある結婚式
明け方何を思ったのか激しく降った雨も
止む時を知っていたかのようで
見越して繰り出した行楽客の人ごみの中
駅に降り立つ
海は昨日の空のような色
冬そのものでありながら
木枯らしにざわめく事もなく
日輪の煌めきを映す
砂浜にはまばらな人影
海の上では
色とりどりの三角の旗が
風を孕んで遊ぶ
73歳でガス管を含み自殺した文壇の重鎮の
瀟洒なアパルトマンは33年後の今も色褪せる事なく
すくすくと育ったヤシの並木に木枯らしが哭く
日常やしがらみ、本音にツノまで隠し
ほころび、ヒビも取り繕い
クリスマスケーキの縛りを
軽やかに飛び越え
二足以上の草鞋を嬉々と
履き替える道を選んだふたりの
晴れの場に
全国津々浦々を網羅するかのように
散らばったゆかりの人々が集まってくる
和やかに華やかに粛々と式が進み
久しぶりに見た夕焼けは
10年越しの情熱をまね
いつまでも燻る種火のように紅に燃え
遠く江ノ島の向こうに浮かぶ
おやまをかくしてしまった雲を溶かしていくようで
振り返ると向こう側が透けて見える涙型のお月様
とっぷりと
つるべ落としで迫ってくる夜に
燦然と輝き出しました
大切なコトってなんですか?
と聞かれたら
あたしは自分が満足する事かな
と答える
ベタで、性善説に寄りかかった
あまちゃんな考えだけど
やっぱり
自分で満足できないと幸せじゃないじゃん
嬉しくなくちゃ
ほころんだ顔はできやしないし
満開の笑顔の第一歩は
やっぱり自分からだよね
日常に疲れ果てたさびしんぼぅの代わりの
おそらも大泣きをしてくれたのか
全てを拭い去ったようなまっさおなカンバス
キラキラの煌めきが朱や黄色の葉っぱを揺らす
公園はすっぽりスノーグローブに閉じ込められたようで
悪戯な風がさわわ ざわわと絵筆を振るうと
くるくるくるりととりどりの色が舞い
散りばめられた足下には
かさこそかさと芳ばしい落ち葉の絨毯
あおいそらの習作はひと吹きで変幻自在
軽やかな手風琴の調べを載せて
こんな日はびぃどろの置物にしちゃいたいな
ようこそ いらっしゃいませ!!
こちらは管理及び著作権主張者である山南薫のかけらです
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